「無事に岡山城も接収できましたな。ここからは大工事にござりまするぞ。我等の拠点にふさわしい城を築くのです。」
章之進
「おお、とうとう天守閣付きの城に住めるのですね。なんだか嬉しくなってきちゃいますね。」
彦右衛門
「うむ、突貫工事で仕上げてしまおう。」
義左衛門
「まずは本丸の位置を、今の石山から東の岡山に移しましょう。岡山は少し低い丘なれば、やや防御に難があります。そこで周りの土を掘って盛り土をしましょう。掘った後には旭川の流れを変えて水を引き込むのです。」
幸之助
「城下町の整備も急ぐダニ。福岡の商人共を岡山に移すダニ。ついでに、北の半田山の麓にある山陽道を城下に付け替えるダニ。そうすれば、勝手に人が流れて来て繁栄は間違いないダニ。」
こうして、なけなしの軍資金を遣って、ものごっつい借金も抱えての一大事業が始まった。
義左衛門
「いやぁ、さすがに金を使い過ぎましたのう、わっはっは!」
彦右衛門
「もうこうなりゃヤケじゃのう、城を攻め撮ればこれくらいの借金なんてすぐに返る返る!ちょっとの借金は自分が困るが、大借金は貸した商人共が困るだけじゃ、わっはっは!」
章之進
「そうですな、こうなったら否が応でも彦右衛門様に協力せざるを得ないでしょう。」
義左衛門
「俊丸の働きが大きかったですのう。商人共に話をつけてくれましたからのう。」
俊丸
「大きくなった軍事力を背景にちょっと脅しただけデブ。これで彦右衛門様の城撮りが失敗したら、商人仲間から袋叩きの目にあうデブ!絶対に各地の城撮りを成功させねばならんデブ。」
幸之助
「お主も苦労しておるんダニ。ともかく、さっさと完成させるダニ。」
突貫工事のお陰もあって、遂に岡山城完成!
彦右衛門
「にゃはは!出来た出来た!こりゃ気持ちええのう。これは自慢せねばのう!」
章之進
「早速、見て回りましょうぞ!」

彦右衛門
「二の丸への入り口にあたる石山門じゃ。ここが二の丸外郭と二の丸内屋敷との境目じゃ。藩主やその一族と家老など身分の高い武士との境じゃな。」

彦右衛門
「これは現存する遺構の1つじゃ。残念ながら外側にビルを建てよったので、美しい城外(西)からの眺めは見えなくなっておる。現代人めはろくでもないことをしよるわい。」
章之進
「そういうあなたもバリバリの現代人なんすけど……。」


彦右衛門
「ここからが本丸じゃ。南側に大手口を設けたぞ。今までの山城とは規模が違うのだ!にゃははのは!」
ゴツ!
彦右衛門
「ぐわッ!いったぁーい!」
章之進
「彦右衛門様、反り返りすぎです!自慢もいいですが、後ろにも気をつけて下され!」

彦右衛門
「内下馬門を入ってすぐの本丸下の段じゃ。石垣の上が本丸中の段。ここの石垣の上の大納戸櫓は、沼城の本丸を移築してやったぞ!いわば天守閣が二つあるようなもんじゃな。」

彦右衛門
「ここを左に上がれば鉄門に至る。写真の真正面の石垣の上に不明門(あかずのもん)があり、これが本丸本段への入り口となっておるぞ。正に鉄壁の守りじゃな。ふっふっふ。」

義左衛門
「こちらは本丸中の段に北から入る道でござる。これは廊下門と申し、この門の上を通って天守閣のある本丸本段に行っていたのでござる。南側に不明門(あかずのもん)があるのですが、ここは名前の通りほとんど閉じられたままであったのですぞ。」

彦右衛門
「これが本丸内に現存する唯一の建造物、月見櫓じゃ。中の段には、月見櫓の他にも、廊下門の北西に小納戸櫓、月見櫓の南西に数寄方櫓、その南に伊部櫓、大納戸櫓と多くの櫓があったのじゃ。」
章之進
「あったのじゃって、現代にしれっと戻らないで下さいよ。我々、一生懸命造ったんですから!」
彦右衛門
「おお、すまんすまん、そうであったな!」

彦右衛門
「これが本丸中の段と本段の間にある不明門(あかずのもん)じゃ。通常は閉じられていたためについた名じゃな。本段と中の段の南側にあるぞ。」
章之進
「使わないなら、造らせないで下さいよ!全く、これ1つ造るのにもえらい手間でっせ。」
彦右衛門
「まあまあ、緊急の際の大軍の出し入れには、これくらいの門がないとのう。」


義左衛門
「ここから通常は本段に入っておったのでござる。真正面に見えるのは、天守閣の横に付属している付櫓(塩蔵)にござる。」

幸之助
「本丸下の段の曲輪の北側から本丸本段に至る六十一雁木(ろくじゅういちがんぎ)と要害門ダニ。雁木というのは、石段のことダニ。でも六十一も石段はないんダニ。不思議ダニ!」

幸之助
「これまた要害という割には簡素な門なんダニ。本丸の北側は旭川を付け替えて流したために、天然の防壁になっているダニ。だから、北側の守りはとても薄いんダニ。この城を落とすには、表にあたる南側に注意を向けさせ、北の旭川を渡河して攻めるのが良いかもしれんダニ。おっと、これはここだけの話ダニよ。」

彦右衛門
「ふふ、攻められてもここと不明門、鉄門の3方向から砲火を浴びせてやれるぞ。鉄門に取り付こうとすれば、正に袋のねずみじゃ。わははは!」
章之進
「あのぅ、お言葉ですけど、ここまで攻められる事態になったら、我々もうアウトですよ……借金もメチャクチャあるし。」

彦右衛門
「どうじゃ、外部3段5重、内部6階の天守閣じゃ。天守閣の横には付櫓(塩蔵)を付けたぞ。籠城用の糧食をここに蓄えておくのじゃ!いくらでも籠城して相手を疲弊させることができるぞ。」
章之進
「だから、攻められたらもう終わりですってば!それより黒色が美しいですな。」
彦右衛門
「であろう?その姿から烏城、金烏城などとも呼ばれておるのじゃ。」
義左衛門
「金は、瓦の金箔から来ておるのでござるな。天守の土台となる石垣は初期の工法で野面石積みにて仕上げました故、形が不等辺五角形になってござりまする。それに合わせて、天守閣も心柱のない初期の望楼型を採用してござる。北側からの眺めは五角形の先端が出て、とても美しいものですぞ。」

彦右衛門
「あの下から2段目のくねっと曲がった小さな屋根、あれが唐破風と呼ばれるもので、その下が不等辺五角形の先端部分じゃ。うーん、美しい!」
章之進
「不等辺八角形の安土城天守をパクったんですよね。」
彦右衛門
「パクったのではない。参考にしたのじゃ!どら、北からと北西からと東からも見ておくかのう。」



彦右衛門
「さて、天守閣に登って景色を見るかのう!」

彦右衛門
「絶景かな、絶景かな!」
義左衛門
「ここで油を売ってるわけにはいきませんぞ!借金を返す為には、次々と攻め撮って領地を増やさねば!」
彦右衛門
「おう、分かっておるぞ!次の目標に向かうのじゃ!」
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