彦右衛門
「さて、茶臼山城の攻略はなったが、北の吉井川の川向こうで、しきりにこちらを伺っておるような城があるのう。」
俊丸
「鷲山城にござるデブ。城将は保志賀藤内と申す者。家臣共々、立て篭りおる様子デブ。」
章之進
「あの程度の小城なれば、攻め撮りは容易いかと。」
俊丸
「いや、鷲山は険阻な地にて、一筋縄では落ちぬのではないかと思いまするデブ。」
彦右衛門
「よし、ならば城を取り囲んで、持久戦に持ち込むのじゃ。敵は小勢じゃ。疲れたところで、一気に攻め撮ることと致す!」
保志賀藤内
「攻め寄せて来たか。しかし、凄い大軍じゃのう。いつの間にこのような力を付けたのじゃ。む、遠巻きにする気か!」
こうして、幾日かが過ぎた。夜も篝火を焚いて気勢を上げる彦右衛門軍に、城兵は神経戦を強いられた。
義左衛門
「そろそろでござるぞ。援軍も来る気配はなし。城兵も衰弱しておりましょう。一気に攻め撮りに参りましょう!」
彦右衛門
「よし、全軍攻撃開始!」
疲れ果てていた所に、兵を入れ替えての大軍の攻撃を受けては、鷲山城は持ちこたえることはできなかった。保志賀藤内を始めとする配下の者達は、次々と討ち撮られ、ここに鷲山城も落城した。


彦右衛門
「よし、勝鬨を上げよ!」
彦右衛門勢
「エイエイオー!」
<鷲山城>
茶臼山城の北、吉井川を挟んで川向こうにある飯岡(ゆうか)の地の鷲山に築かれた山城である。
茶臼山城を落とした宇喜田軍は続いて、この鷲山城の攻撃に取りかかった。しかし、険阻な地に築かれていたため、容易に攻撃する事もできず、遠巻きにして攻撃の機会を窺うこととなった。
結局、援軍もなく、疲れ果てた城兵は宇喜田軍の攻撃を耐え凌ぐことはできず、城主・保志賀藤内の家臣・秋山重左衛門、鮎矢又七、大澤重左衛門ら17人が城を枕に討死。保志賀藤内も自害し落城の憂き目を見る事となった。
宇喜田軍はこの城を焼き払い、美作攻略を目指しさらに北上を続けることとなった。
章之進
「ところで、彦右衛門様、今回城の様子が分からないんすけど……。」
彦右衛門
「それはね、前の二つの城で時間が無くなって、こっちまでは登れなかったからなの………。」
章之進
「は、よく聞こえませんが?」
彦右衛門
「うるへぇ!登る時間が無かったの!」
俊丸
「ここぞとばかりに責め立てておるデブ。さすが弱い立場の者には、鬼のように強いデブ。」
義左衛門
「やれやれ………。」
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