彦右衛門
「だああ、危うく焼け死ぬとこだったぞ!」
十枡
「驚かせておけば引き下がるかと思ったけど、案外勇敢だったんだナ。」
章之進
「やっぱり使えねぇ!この害人!」
十枡
「な、なんてことを言うんだナ!」
義左衛門
「それより、村上水軍が調子に乗って攻めてきますぞ!」
彦右衛門
「冷静に戦況を眺めてんじゃねぇよ!てめぇ、また一人だけ先に逃げ出しやがって!」
十枡
「まあまあ、喧嘩はよくないんだナ。大丈夫よ、もう1つ奥の手を持っているんだナ!」
章之進
「おおっ!さすが十枡!」
幸之助
「変わり身の早さは天下一品ダニ。」
十枡
「合図の鉄砲を放つんだナ!」
ダダダーーン!
ぎい、ぎい、ぎい!
彦右衛門
「おお、何じゃ?あの奇怪な船は?」
十枡
「朝鮮の亀甲船、コブクソンなんだナ。漂流した時に知り合った朝鮮人から、作り方を教わってきたんだナ。ちょっと強いヨ!」
村上武吉
「むう、またしても奇怪な船を出してきおって!怯むな!焙烙火矢を浴びせよ!」
コーン!ガシャン!ポッポッ!
村上元吉
「父上!鉄板が張ってあり申す!焙烙火矢は効きません!」
村上武吉
「何い!やむをえん!安宅船を横付けして乗り移れ!接近戦ならこっちのものじゃ!」
水夫
「おう!それ、飛び移れ!」
サクッ!
水夫
「いったあ〜〜〜〜〜!!」
村上武吉
「む、いかんぞ!飛び移るな!上に覆ったムシロの下に、剣が隠されておる!」
十枡
「ふっふっふ、村上水軍敗れたりなんだナ!全軍船一斉突撃なんだナ!」
こうして十枡率いる彦右衛門水軍は、慌てふためく村上水軍を打ち破り、村上武吉の本拠地大島に攻め込むこととなったのであった。
<亀甲船(コブクソン)>
太閤秀吉の朝鮮出兵の際に、李舜臣に率いられた朝鮮軍が使った軍船で、15世紀初めに建造された世界最初の鉄甲船である。
天井に鉄を貼り火矢などによる火災を防ぎ、その上に刃を突き出しておいて、乗り移ろうとする敵兵の足を突き刺す造りになっていた。

<主要データ>
最大速力 7ノット(時速13キロ)
乗員 130名
全長 34・2メートル
幅 10・3メートル
前の記事で載せた安宅船のデータと比べてみよう。
全長 26メートル
幅 9メートル
重量 200トン
将士 20〜40人
水夫 70〜130人
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